冷徹王子の甘い笑顔
翌日、学校。
昨日のことが夢だったんじゃないかと思うくらいいつもと変わらない風景。
挨拶が飛び交う教室。
昨日のテレビの話をしているクラスメイト。
「弥兎!おはよっ」
そして可愛い私の友達。
「咲羅、おはよう」
「今日早いね」
「うん。早くに目が覚めちゃって」
「そうなんだ。昨日寝不足だったから早く寝たんだ?」
「そんな感じ」
咲羅と会話をしていても気になってしまう。
自然と目がそこに行ってしまう。
「どうかした?」
「えっ!」
「いや、なんだかソワソワしてない?」
「そ、そう?」
じーっと見つめられる。
「なんでもないよ・・・?」
「ほんとに?」
「うん・・・」
これは厳しいかな、と思ったとき
『キャー!!!』
廊下から女子生徒の黄色い声が聞こえた。