冷徹王子の甘い笑顔
「あっはは!」

堪えきれなかったのかお腹を抱えて笑い出した。

「笑いすぎっ」

胸がドキドキうるさい。
楽しそうに笑う顔から目が離せない。

「ごめんごめん、」

まだ止まらないのか思い出しては「ふはっ」と笑っていた。
私はもうこの笑顔が見れるなら何でもいいやと思い、じっと見つめることにした。

「はぁー、笑った。逢原さん面白い」

しばらく笑っていたが落ち着いたのか目尻の涙を拭っていた。

「それはどうもありがとう」

「だからごめんって」

お互いに見つめ、笑いあう。
うん、これだけで幸せだ。

「久しぶりに笑ったわ、」

「そんな風に笑うんだね」

変な意味はなかったが、やっぱりその言葉は気になったのか少しだけ気まずそうだった。

「俺だって笑いますよ」

「うん、知ってる」

「え?」と私を見る皇坂くんの目をしっかり見る。

「知ってるよ、皇坂くんの笑顔すごく好き」

「・・っ」

「あの時はどうして?って聞いちゃったけど今はもう聞かないよ。
人それぞれ何かしら事情は抱えているものだと思うから。
皇坂くんが笑いたいときに笑えばいいし、話したいときに話せばいいと思う。
なーんにも気にしないでね」

何か言いたげそうな顔をしていたが皇坂くんは何も言わずに頷くだけだった。
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