冷徹王子の甘い笑顔
「練習頑張らないとな」

皇坂くんの言葉に燈真は「はい!」と返事をしていた。

「まずはメンバー入りおめでとう」

「ありがとうございます!お兄さんが教えてくれたからです」

「頑張ったのは燈真だから。俺じゃない」

燈真は私から離れると皇坂くんと向き合った。

「お兄さんはいつも一歩引き下がっているというか、自分は。って言いますよね。
確かにたくさん練習したからメンバーに選ばれたかもしれません。
でもそれはお兄さんがいたから!お兄さんが教えてくれたから!
お兄さんが教えてくれた練習方法があったから俺は頑張れたんです!!
お兄さんがいなかったら俺は今の俺じゃなかったです。」

そこまで言うとビシッと指をさし、

「俺の中でお兄さんは超絶格好いい人で、憧れの人なんです!!
だからもっと俺はすごいんだ!格好いいんだぞ!っていうスタイルでいてください!!」

一息でそう言い放った。

「「・・・」」

私と皇坂くんの間に沈黙が生まれる。
燈真は「ふんっ」と鼻をならし、真っ直ぐ前だけを見つめていた。

「・・・ふはっ」

堪えきれなかったのか「あははっ!!」とまた声を出して皇坂くんは笑い出した。
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