冷徹王子の甘い笑顔
公園に着くといつものベンチに座っている皇坂くんの姿があった。

「あ、」

声をかける前に気付いてくれて、駆け足で向かう。

「ごめんっ、待たせちゃった?」

「大丈夫。まだ待ち合わせの時間の10分前だから」

そう言って公園にある時計を指さす。
確認すると確かにまだ10分前だった。

「私たち優秀だね」

「だな」

お互いに顔を見て笑い合う。

「あ、そうだ。
燈真が試合前に会いたいって言ってた。
緊張するから顔見て話したいって」

「初めての大会だもんな、緊張するよな。
試合前にガッツいれるか」

嬉しそうに言う姿が微笑ましかった。

「でも、試合前なのに会えるのかな?」

「あー・・・、まぁ会えると思う。」

「そっか。私はもう皇坂くんの後ろについて歩くだけだからよろしく」

「なんでだよ」

「初めてああいう部活の大会の会場?に行くんだもん。迷子になる」

文化部だった私にとっては未知の世界だ。
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