冷徹王子の甘い笑顔
「大きな体育館だと思えば大丈夫」

「ちょっと無理があるかも」

「だから、なんでだよっ」

可笑しいのかクスクス笑い出した。
つられて私も笑う。

「迷子になったら絶対に見つけるから安心して」

ベンチから立ち上がりながらそう言うと優しく微笑んだ。
胸がきゅぅっとなるのがわかる。
顔が赤くなっているのがバレないように顔を背けながら

「そろそろ行こっか」

逃げるように公園の出口へと向かう。

「そうだな」

少し後ろをついてくるように歩き出した皇坂くんだったが、
公園を出るころには隣で一緒に歩いていた。

駅までの道のりを2人で歩く。
7月というのもあり、すごく暑い。
隣にいる皇坂くんの首にも汗がじんわりと滲んでいた。

「そういえば、今日って親御さんは?」

「2人とも仕事が休めなくて来れないって」

「そうか」

「すごく行きたがってたんだけどね、次は絶対に行くって言ってた」

燈真の初めての大会、絶対行きたかったと思うから
今日は私が2人の分も応援すると決めていた。
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