冷徹王子の甘い笑顔


週明け、月曜日。
今日の天気は晴れ。
土日ともに晴れて久しぶりに連日晴れだった。

「暑いけどやっぱり晴れてるの最高!!!」

学校に着くや否や咲羅は嬉しそうに笑っていた。

「雨よりかはいいよね」

自分の席に座り、今日の小テストの準備をしていると

『キャー!!!』

毎朝恒例の女子生徒の黄色い声が聞こえた。

自然と視線は教室の入り口に。
今日はドアが開いていたから皇坂くんがスッと教室に入ってきた。

いつ見ても綺麗な人だな、と思う。
特にこれと言って興味があるわけではないけど笑った顔がどんな風なのかは気になる。

そんなことを思いながら何気なく見ていたら
席に座ろうとしていた皇坂くんと目が合ってしまった。

「あっ」

思わず声が漏れたが、目が合ったのは一瞬のことで皇坂くんはもうこっちを見ていなかった。

「今こっち見たよね?」

咲羅も思ったのか私にしか聞こえない声で話しかけてきた。

「うん、たぶん?」

「珍しいこともあるんだね。
・・・あー!今日小テストじゃん!忘れてた!」

私の机に置いてあるテキストを見て思い出したのか咲羅が慌てだした。
< 5 / 62 >

この作品をシェア

pagetop