冷徹王子の甘い笑顔
第4Qが始まる前、燈真が応援席を見てキョロキョロしているのが見えた。
私たちを探していると思い、皇坂くんと一緒に近くまで行くと
燈真と目が合った。

その目は自信に満ち溢れていて、
【最後まで見ててね】そう言われているように思えた。

皇坂くんは何も言わずに燈真にピースサインを送ると
燈真もまた満面の笑顔でピースサインを返した。

第4Qが始まる。
燈真たちがコートに戻った。

私たちはその場で見守ることにした。
最後は全力でやりきってほしい。
後悔なく思いっきり楽しんでほしい。

ピーッ!

笛の音が鳴る。
試合が始まった。

点差は僅かに相手チームのほうが上だった。
でもまだ分からない。
逆転して勝てるかもしれない。

お互いの学校の声援が体育館いっぱいに響いていた。

「燈真!!!」

「走れ!」

私と皇坂くんも自然と応援に熱が入った。
頑張れ、頑張れ・・。
頑張れ!!!

燈真にボールがまわってきた。
そのままゴール近くまで行くが相手チームに阻まれ、仲間にパスをする。

そのままシュートを決めるがはじかれ、こぼれたボールを仲間が拾う。
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