冷徹王子の甘い笑顔
「こっち!!!」

燈真の声に仲間の子が反応し、燈真にパスがまわった。
そのままドリブルをつくかと思いきや、シュートをかまえた。

「えっ」

燈真の手から放たれたボールは吸い込まれるかのように

ザシュッ

ゴールに入った。

「「「わぁ!!!!」」」

一際、大きな歓声が上がる。

「嘘・・・っ」

「やるじゃん」

なんと燈真はスリーポイントを決めたのだ。
あんなにも遠いところから打ったのに、すごい。

「すごい・・っ、燈真っ」

私の目からは気付いたら涙が零れていた。
涙で燈真の姿が滲む。
ダメ、ちゃんと目に焼き付けないと。
燈真の初めての大会。

拭っても拭っても涙は流れてくる。

「燈真!がんばれ!!」

きっと皇坂くんは私が泣いているのに気付いている。
でも何も言わずに私の隣で燈真を応援してくれる。

試合が終わるまでの間、私と皇坂くんは声が枯れるくらいに燈真の名前を叫んだ。
あれから燈真は人が変わったかのように何本もシュートを決めた。
相手チームも負けじとシュートを決めた。

一生懸命に試合に臨む燈真の姿はすごく格好良くて
何度も涙が溢れた。
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