冷徹王子の甘い笑顔
「なんだろうね、私たちって遅かれ早かれこうやって話すようになってたのかもね」

「あははっ」と笑うと皇坂くんも笑ってくれた。

「燈真に出会えた時点で決まってたな」

「そうだね」

そこで少しの沈黙。

「俺、ずっと話してみたかったんだ」

その言葉に皇坂くんを見ると真っ直ぐ見つめられ、
逸らすことが出来なかった。

「燈真がいつも嬉しそうにお姉ちゃんの話をするんだ
聞くたびに俺も話してみたいって思った。
でも怖くて話せなかった。

だからあの日、あの公園で会えたときすげぇ嬉しかった。」

「うんっ」

何故か分からないけど、涙が溢れそうだった。

「そこから少しずつだけど話すようになって、
逢原さんを知っていって、もっと話したいって思うようになって」

「うんっ・・・」

「気付いたら目で追うようになって、
帰りの電車が同じになったときはすげぇ嬉しくて
今日だってこうやって一緒に応援来れのも嬉しくて、
逢原さんが笑ったり、泣いたりするたびに胸が苦しくなって、」

私の目から涙が零れ落ちた。
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