冷徹王子の甘い笑顔
「ちょっと買いすぎちゃったかな」
両手にエコバックを持ちながら燈真がいる公園へと向かっていた。
燈真がいる公園は家からわりと近く、スーパーへ行く道とは違う方向だけど
いつもこの時間に買い物に行くときは迎えに行くのが流れになっていた。
「あれ?」
公園の近くまで来て、燈真の姿を見つけたとき
その隣に誰かが立っていた。
「あの人が燈真が言っていたお兄さんかな?」
練習をしているとたまにお兄さんがバスケを教えてくれると燈真が以前教えてくれたのを思い出す。
最初は怪しい人じゃないかと疑ったが、燈真がいつもキラキラした目で話してくれるから
悪い人ではないと思っていた。
気付かれないように2人に近付く。
お兄さんの顔はここからだとよく見えない。
今はシュートの打ち方を教えてもらっているのだろうか。
一通り教えてもらったあとに燈真がボールを放つ。
その放たれたボールは吸い込まれるようにゴールに入った。
「わぁ」
思わず声が漏れた。
「やった!入った!!」
燈真の嬉しそうな声が聞こえ、
「今の感じだ、いいぞ」
お兄さんの嬉しそうな声も聞こえ、
2人がハイタッチをした。
そのときお兄さんの顔が見えた。