第三者
_
確かに苦手だった

周りが呟く噂に君のイメージは染まっていた

「俺ああいう子苦手」
この瞬間を幾度やり直したいと思ったことか

廊下で君がうずくまっていたから
何となく気になって近付いたんだ

声をかける前に
僕の気配に顔を上げた君が名前を口にした
「____。」
「うん」
名前を呼び合う関係ではなかったけど
なぜだかしっくりきた

そのあとまた顔を膝にうずめた君は転がりそうだった
肩を支えると
それは寝起きのハムスターみたいな
温かくてふにゃふにゃでとろんとしていて
'愛おしい'と思った、

俺のものにしたいって思った

絶対俺のものにしてやるって決めた夜
< 3 / 6 >

この作品をシェア

pagetop