触れたい、cross
深く暗い、瞳の奥。


じっ、と見つめられたら、目線を外すことはできなくなってしまう。


ぞっとするほど、綺麗で、なぜだか儚さも兼ね備えている。


こんな場所には、不釣り合い、だ。


どこかのホストクラブとか、いや。モデル事務所にいてもおかしくない、雰囲気。


「…なに、考えてんすか…?」


真っ直ぐ、真っ直ぐ、私を見つめる両瞳に、思わず怯みそうに、なる。


「…や、別に…なに、も…」


「嘘ついて、なんになるんすか」


「…え…、」






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