触れたい、cross
つい、今しがた会ったばかりなの、に。


ココロの奥の奥まで、見透かされてしまいそうで、恐くなる。


「…震えてる、」


顎をあげて、私を見る両瞳。


寒いっすよね。


同意を求めるように、今度は浅く頷くように、顎を沈める。


寒さのせい、なのか、それとも、目の前の彼の存在が恐いからなのか…


自分自身、決めかねて困惑、して。


彼が言うように、細かく震えている自分のカラダをぎゅっと抱き締めた。








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