触れたい、cross
あっちこっちに、思考をさ迷わせていたら。


気がつくと、窓の外の雨が、ゆるくやさしくなっている。


さっきまでの、大きな雨粒がすべて、うそだったかのように、やわらかな霧雨に変わっていて。


さっきまでのどしゃぶりの雨、は。


まるで、私をこの場所へ閉じ込めておくため、だったみたいだな。


なぜかそんな風に、考えて、いる。


このとき、ぼうっと霧雨を眺めながら思ったことを、私は。


未だに思い出す……








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