触れたい、cross
「…ひでー、そんなにびっくりすることないでしょー」


抑揚が薄い、独特の口調。


金髪の前髪の隙間から、黒い瞳が私を見つめている。


「…あーあー、せっかく乾いたとこだったのにー」


そんなとこに座り込んだら、風邪引きますよー?


当たり前のように、目の前に差し出された、てのひら。


…この手を、掴んでいいんだろうか…


一瞬で、たくさんのことを、考える。







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