触れたい、cross
勢いよく、歩き出したのだけれ、ど。


ぼこぼこと舗道に開いている穴に、ことごとくスーツケースの車輪が引っ掛かる。


…もうッ…!!


八つ当たりに近い気持ちが、胸にせりあがってくる。


ただ、真っ直ぐに歩きたいだけなのに。


早く部屋に入って、すべて忘れて眠ってしまいたい。


…それだけ、なのに。


それさえ、赦されないのだろうか…




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