触れたい、cross
諦めて、私も階段を昇る。


階段を踏みしめる度に、ミシミシと音が鳴って。


なんだか、ノスタルジーだ。


呑気に思ったりする。


「ここ、ここっすー」


ご丁寧に、手のひらでドアを指している、彼。


その仕草が、思いがけず可愛らしくて。


ふふ。


思わず、笑みが溢れた。




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