触れたい、cross
「…山吹 伊織、っす」


彼の声が、頭の芯に響いた瞬間。


失敗したー!!


盛大に、ココロのうちで、思う。


「…ご、ごごごご、ごめんなさい…ッ…!」


てっきり、名字、かと…ッ…!!


焦って、手のひらを向けて、謝るも。


「…ッ、ふふ。すげー、連続の『ご』っすねー」


少し、首を傾げて、ふわり、と、笑ってみせた。






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