触れたい、cross
さ迷っていた視線、は。


かちり、と、空中で合わさる。


そうしたら、もう…


「…会ったばかりの、こんなおばさんに、やさしいな、と、思って…」


「海乃さんは、そんなんじゃないでしょ」


打って響くような速度で、返される。


自分のこと、そんな風に言う必要、ない。


海乃さんは、キレイ、だよ…?


伊織くんのコトバが、耳の奥でずっと、響いている…



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