触れたい、cross
…それに海乃さん、起きたときに誰もいなかったら、淋しいでしょ?ここ、来たばっかりだし。


さも、当たり前のように言ってのける、横顔。


…やっぱり、キレイだ。


……、


思わず、コトバを失くした私に。



「どした、のー?からかってないけどー?」


小首を傾げてみせる姿は、相変わらず、自由奔放な猫のよう。


金髪の前髪が、伊織くんの動きに合わせて、ゆるり、と揺れた。


腕の中にぎゅっと抱き締めたとしても、1秒だって、じっとはしていない、猫。










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