触れたい、cross
「…返して…ッ…」


裸の上半身に、シャツを当てながら右手を伸ばすも。


「つけてあげよっか?」


オレ、外すのもつけるのも上手、だよ?


くちびるの端をあげて、笑ってみせた。


「いいから、返してってば!」


「いーじゃん、いーじゃん。ほら、後ろ向きなってー」


私のブラジャーを持ったまま、ベッドへ半歩、近づく。


早くー、コーヒー、冷めるよ?


そのひと言、は、私の思考を瞬時に素直にさせる。







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