触れたい、cross
「…ねーねー、もしかしてもしかして、さ?アスパラとコーンのバター炒めとかにする気…?」


昼間、別れたばかりの伊織くんが立っていた。


どうしてここに?思っているのに。


「…え、なんで、わかったの…?」


そんなコトバしかでてこない。


「えー!?言ってなかったっけ。オレ、アスパラとコーン嫌いなんだよー」


「…え…?でも、食べるの私だし…」


「…いっしょに食べちゃ、だめ…?」


そんな、上目使いのお願い、に。


「…だめ、じゃ…ない…」


気がつくと、首を縦に振っている。





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