触れたい、cross
私が持っていた、買い物かごを強引に奪いとった、伊織くん。


そのまま、私の半歩先を歩いてゆく。


そうゆうところまで、なんだか、照れ隠しが隠れているように見えて。


「海乃さん、今日のおかずなにー?」


振り返った伊織くんが、


「あー、またー、笑ってるー」


そんな、私の姿を指摘する。


はたから見たら。


私たちの関係はどう、見えるんだろうか?


さすがに親子には見えないだろうけれど。


恋びとにはもっと、見えないだろう。





< 92 / 97 >

この作品をシェア

pagetop