触れたい、cross
買い物を終えて、スーパーを出たら、さっきよりも濃いオレンジ色の夕焼けが射していて。


さっきは独りで浴びていた、夕焼け。


またも、私の手から強引に奪いとったエコバッグを、両手に提げている伊織くんと並んで今は、ふたりで全身に浴びている。


やっぱり、独りよりも、ふたりがいいな。


無意識に、考えている。


それは、当たり前のこと、なのかも知れないけれど。


独りで生きていかなくちゃいけない。


決心して、歩いてきたはず、なのに。


こんな日々が続いたら。


独りになるのが、怖くなるな…


ぼうっと、考える。








< 94 / 97 >

この作品をシェア

pagetop