限界社畜ですが、この度やってることはブラックなのに超絶ホワイトな事務職に転職しました。

カタカタとキーボードの上を走らせていた手を止めて、いつもお世話になっている炭酸の抜けたエナジードリンクを片手に出来上がった書類に不備はないか目を通し、メールへ添付して社長へと送る。

真っ白な壁に掛けてある飾り気なの時計に目を向けると時刻は23時40分。


なんとか……なんとか今日中に間に合った!
終電にも間に合った!!
今日は家で寝れるし明日は土曜日、仕事だけどゆっくり出勤できる。

急いでパソコンの電源を落としてデスクの上を片付け、オフィスの電気を消して戸締りを確認してオフィスをでる。


駅まで徒歩10分弱。現在23時45分。
余裕で間に合う。何なら1本前の電車に乗れるかもしれない。

鉛のように重い疲れた身体に鞭打って、カツカツとヒールを鳴らしながら駅へと向かう。
駅に近づくと先ほどまでそのあたりの居酒屋で飲んでいたであろうサラリーマンや大学生らしき集団いる。楽しそうにほろ酔いだったり千鳥足で次に行く店を決めているのか、とても楽しそう。
今日は華の金曜日、世間様きっと明日はお休みだから朝までだって飲めるよね、本当にうらやましい。

できることなら私も飲みに行きたい。飲んでこのストれるを発散させたい。
本当に何にが悲しくて華の金曜日にこんな時間まで働いて――しかも他人の仕事を片付けて、明日も仕事だなんて本当に嫌になる。

上司や社長たちは私のメンタルが強かったことに感謝してほしい。
豆腐メンタルならきっとだいぶ前に飛び降りてたわ。
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