碧い夏の約束
目が覚めると、視界は真っ暗だった。
凛月「ここは…。あぁ、瞬の家か。俺、どのくらい寝てたんだ?」
そう呟くと同時に部屋の扉が開いた。
ガチャっ。
瞬「あれ、起きてる。飯できたけど食う?」
凛月「え?俺の分も作ってくれたの?」
瞬「まぁな。せっかくなら泊ってけよ。もう遅いし。」
凛月「じゃあお言葉に甘えて…。」
瞬「で、飯は?」
凛月「食べる!ありがとう!」
夕食は唐揚げだった。とてもおいしかった。お風呂をもらった後、俺は瞬の部屋に呼ばれた。
コンコン。
凛月「瞬?俺だけど。」
瞬「あぁ、入っていいぜ。今手が離せねぇんだ。」
瞬にそう言われ、瞬の部屋に入った。部屋の中は、きちんと整理整頓されていて綺麗だった。瞬は自分の机で作業をしていた。
瞬「悪い、もうちょいで終わるから適当に座って待ってて。」
凛月「わかった。」
瞬は5分ほどで作業を片付けた。
瞬「お待たせ。悪いな、俺が呼んだのに。」
凛月「平気だよ。何してたの?」
瞬「部活のやつ。」
凛月「部活やってるんだ!何部??」
瞬「バスケ部。」
凛月「え、一緒だ!俺もバスケ部!」
共通点を見つけた俺は子どものようにはしゃいでしまった。
瞬「あぁ、そうなのか。県違うとわかんねぇな。」
すると、急に沈黙が流れた。しかし、その沈黙は一瞬で去った。
瞬「そんで、呼び出した用事なんだけど。」
凛月「うん…。」
瞬「まぁ、予想はついてると思うが遥翔のことだ。」
やっぱりそうかと思った。瞬から呼び出されたときから薄々感じていた。
瞬「でもまずはお前の覚悟を聞きたい。」
凛月「俺の覚悟…?」
瞬「そうだ。お前遥翔に会いに来たんだろ?何で?」
俺は言葉に詰まった。何から話したらいいかわからず俯いた。すると瞬が口を開いた。
瞬「ほんと似てるよな。お前と遥翔。」
凛月「ほえ…?」
瞬の言葉があまりに衝撃的で素っ頓狂な声が出てしまった。
瞬「自分にとってバツが悪いと俯いたり誤魔化したりするところが特に。」
凛月「そ、そうかな…?」
何だか褒められてるのか貶されているのかわからない言い方をされてしまった。
瞬「まぁ、そんなかしこまんなよ。俺が知りてぇだけだ。ただの好奇心だよ。」
瞬はそう言って微笑んだ。瞬の綺麗な笑顔と落ち着いた紫の瞳から俺は目が離せなかった。
俺は、遥翔が瞬に相談する理由が少しわかったような気がした。きっと俺が遥翔の立場でも瞬に相談しただろう。急に緊張がほぐれて、俺は遥翔に会いに来た経緯を話し始めた。
文化祭でのこと、結華の想い、俺の決意などを素直に説明した。瞬は真剣な眼差しで真っすぐ俺を見据えて話を聞いていた。
凛月「今話したことが俺の覚悟だ。」
瞬「なるほどな。お前の経験をもとにした決意ってことだな。」
凛月「そうだ。そこで俺は瞬に頼みがあるんだ。」
瞬「何?」
凛月「俺に会ったこと、遥翔には言わないでほしい。」
瞬「いいよ。今言うと遥翔も混乱するしな。」
凛月「ありがとう。遥翔は今どんな感じなんだ?」
瞬「一言で表すならアホ。」
俺は瞬の言葉を聞いて驚愕した。
瞬「なんだその顔。そんな驚くことか?覚えてないんだろ?」
凛月「確かに覚えてないんだけど、結華から聞いてた話と少し違くて…。」
瞬「結華さんってもう一人の幼馴染か。どんなイメージだったんだ?」
凛月「頭の回転が速くていつも冷静で、すぐ責任を背負おうとするイメージかな…。」
瞬「まぁ、あらかた合ってるよ。確かに頭の回転は速いし、背負わなくていい責任まで背負い込もうとする。でも、全然冷静じゃねぇな。意外と感情的になりやすい。あと、全く周りを頼ろうとしない。そういうところ全部含めてアホ。」
凛月「そうなのか。周りを頼ろうとしないか。それでも瞬のことは頼ってるんだな。」
瞬「そうだといいけどな。俺が声かけねぇと何も言わねぇがな。」
瞬はそう言って目を伏せた。紫の目が悲しげに揺れていた。
凛月「瞬は遥翔のことを大切に思ってるんだな。」
瞬「は、はぁ!?ふざけんな!別に大切なわけじゃねぇ!ただ、辛気臭い面されると俺が迷惑を被ることになるからであって、決してあいつのためじゃねぇ!」
瞬はそこまで一息で言い切った。息を整えて俺を見た。
瞬「わかったか?」
俺はこの瞬の話を聞いて、笑いが零れてしまった。
凛月「あははっ!瞬は素直じゃないんだな。」
瞬「お前!今の話聞いて何でそうなるんだよ!にまにまするな気持ち悪い!」
瞬は拗ねてそっぽを向いてしまった。そんな話をしているうちに夜はかなり深くなっていた。
凛月「もうこんな時間になってたんだね。」
瞬の部屋に来てから、既に2時間が経過していた。
瞬「ほんとだな。長話して悪かった。もう寝るか。」
凛月「うん、そうだね。」
俺はそう言って瞬の部屋を後にした。そして用意された部屋で眠りについた。
凛月「ここは…。あぁ、瞬の家か。俺、どのくらい寝てたんだ?」
そう呟くと同時に部屋の扉が開いた。
ガチャっ。
瞬「あれ、起きてる。飯できたけど食う?」
凛月「え?俺の分も作ってくれたの?」
瞬「まぁな。せっかくなら泊ってけよ。もう遅いし。」
凛月「じゃあお言葉に甘えて…。」
瞬「で、飯は?」
凛月「食べる!ありがとう!」
夕食は唐揚げだった。とてもおいしかった。お風呂をもらった後、俺は瞬の部屋に呼ばれた。
コンコン。
凛月「瞬?俺だけど。」
瞬「あぁ、入っていいぜ。今手が離せねぇんだ。」
瞬にそう言われ、瞬の部屋に入った。部屋の中は、きちんと整理整頓されていて綺麗だった。瞬は自分の机で作業をしていた。
瞬「悪い、もうちょいで終わるから適当に座って待ってて。」
凛月「わかった。」
瞬は5分ほどで作業を片付けた。
瞬「お待たせ。悪いな、俺が呼んだのに。」
凛月「平気だよ。何してたの?」
瞬「部活のやつ。」
凛月「部活やってるんだ!何部??」
瞬「バスケ部。」
凛月「え、一緒だ!俺もバスケ部!」
共通点を見つけた俺は子どものようにはしゃいでしまった。
瞬「あぁ、そうなのか。県違うとわかんねぇな。」
すると、急に沈黙が流れた。しかし、その沈黙は一瞬で去った。
瞬「そんで、呼び出した用事なんだけど。」
凛月「うん…。」
瞬「まぁ、予想はついてると思うが遥翔のことだ。」
やっぱりそうかと思った。瞬から呼び出されたときから薄々感じていた。
瞬「でもまずはお前の覚悟を聞きたい。」
凛月「俺の覚悟…?」
瞬「そうだ。お前遥翔に会いに来たんだろ?何で?」
俺は言葉に詰まった。何から話したらいいかわからず俯いた。すると瞬が口を開いた。
瞬「ほんと似てるよな。お前と遥翔。」
凛月「ほえ…?」
瞬の言葉があまりに衝撃的で素っ頓狂な声が出てしまった。
瞬「自分にとってバツが悪いと俯いたり誤魔化したりするところが特に。」
凛月「そ、そうかな…?」
何だか褒められてるのか貶されているのかわからない言い方をされてしまった。
瞬「まぁ、そんなかしこまんなよ。俺が知りてぇだけだ。ただの好奇心だよ。」
瞬はそう言って微笑んだ。瞬の綺麗な笑顔と落ち着いた紫の瞳から俺は目が離せなかった。
俺は、遥翔が瞬に相談する理由が少しわかったような気がした。きっと俺が遥翔の立場でも瞬に相談しただろう。急に緊張がほぐれて、俺は遥翔に会いに来た経緯を話し始めた。
文化祭でのこと、結華の想い、俺の決意などを素直に説明した。瞬は真剣な眼差しで真っすぐ俺を見据えて話を聞いていた。
凛月「今話したことが俺の覚悟だ。」
瞬「なるほどな。お前の経験をもとにした決意ってことだな。」
凛月「そうだ。そこで俺は瞬に頼みがあるんだ。」
瞬「何?」
凛月「俺に会ったこと、遥翔には言わないでほしい。」
瞬「いいよ。今言うと遥翔も混乱するしな。」
凛月「ありがとう。遥翔は今どんな感じなんだ?」
瞬「一言で表すならアホ。」
俺は瞬の言葉を聞いて驚愕した。
瞬「なんだその顔。そんな驚くことか?覚えてないんだろ?」
凛月「確かに覚えてないんだけど、結華から聞いてた話と少し違くて…。」
瞬「結華さんってもう一人の幼馴染か。どんなイメージだったんだ?」
凛月「頭の回転が速くていつも冷静で、すぐ責任を背負おうとするイメージかな…。」
瞬「まぁ、あらかた合ってるよ。確かに頭の回転は速いし、背負わなくていい責任まで背負い込もうとする。でも、全然冷静じゃねぇな。意外と感情的になりやすい。あと、全く周りを頼ろうとしない。そういうところ全部含めてアホ。」
凛月「そうなのか。周りを頼ろうとしないか。それでも瞬のことは頼ってるんだな。」
瞬「そうだといいけどな。俺が声かけねぇと何も言わねぇがな。」
瞬はそう言って目を伏せた。紫の目が悲しげに揺れていた。
凛月「瞬は遥翔のことを大切に思ってるんだな。」
瞬「は、はぁ!?ふざけんな!別に大切なわけじゃねぇ!ただ、辛気臭い面されると俺が迷惑を被ることになるからであって、決してあいつのためじゃねぇ!」
瞬はそこまで一息で言い切った。息を整えて俺を見た。
瞬「わかったか?」
俺はこの瞬の話を聞いて、笑いが零れてしまった。
凛月「あははっ!瞬は素直じゃないんだな。」
瞬「お前!今の話聞いて何でそうなるんだよ!にまにまするな気持ち悪い!」
瞬は拗ねてそっぽを向いてしまった。そんな話をしているうちに夜はかなり深くなっていた。
凛月「もうこんな時間になってたんだね。」
瞬の部屋に来てから、既に2時間が経過していた。
瞬「ほんとだな。長話して悪かった。もう寝るか。」
凛月「うん、そうだね。」
俺はそう言って瞬の部屋を後にした。そして用意された部屋で眠りについた。