碧い夏の約束
凛月「はっ…!はぁ、はぁ…。」
瞬「おはよう、凛月。気分はどうだ?」
凛月「うっ…。うぅ…。」
俺は柄にもなく泣いてしまった。瞬の優しい笑顔に包まれ、思い切って瞬に飛びついた。
凛月「瞬…!う、うぅ…。」
子どもみたいに泣きじゃくる俺を瞬は優しくなだめてくれた。
瞬「よしよし、嫌な夢だったんだな。安心しろ、俺がいる。」
凛月「俺の存在が遥翔を苦しめてる、それならいっそ俺は…遥翔に会わない方がいいんじゃないかって思った。遥翔も俺を忘れたら、楽になれるんじゃないか?俺、今まで思い出すことが最善だと思ってた。でも、夢の中で遥翔は責任を感じて俺から遠ざかった…。俺が今やってることは正解なのか?なぁ、瞬、俺はどうしたらいいんだ…?」
瞬「凛月、ここから話すのは完全に俺個人の意見だ。どう捉えるかは凛月次第だ。」
瞬はそう前置きを置いて、話し始めた。
瞬「凛月、お前が今やってることは間違ってない。確かに遥翔は責任を感じてたし、苦しんでた。まぁ今も苦しんでるのかもしれないけどな。それでも、遥翔はお前に会いたがってるし向き合おうとしてる。俺的には凛月と遥翔の気持ちは一致してると思う。だから迷う必要なんてない。」
瞬の言葉がすっと心に刺さった。
凛月「ぐすっ。うん。俺、もうちょっと頑張る。ありがとな、瞬。」
瞬「いや、気にすんな。さすがにほっとけないからな。」
凛月「やっぱり優しいよ、瞬は。俺、瞬いなかったら諦めてた。」
瞬「なっ!どいつもこいつも大袈裟なんだよ!」
瞬はそっぽを向いてしまった。瞬の耳はとても赤かった。
凛月「ふふ、やっぱり素直じゃないね瞬は。あはは…待って、笑いが止まらん…。」
瞬「てめぇ…。笑ってんじゃねぇよ!ほら、もう落ち着いたろ?課題再開すんぞ!」
凛月「うん、やる!」
数時間ぶっ通しで課題を続けた。課題が終わるころには、外は暗くなっていた。
凛月「お、終わったぁ~!」
瞬「お疲れ、終わって良かったな。」
凛月「あぁ、本当にありがとな!」
瞬「どういたしまして。」
その後、夕食と風呂を済ませ、俺は瞬の部屋を訪ねた。
コンコン。
瞬「凛月か?」
凛月「うん、ちょっと話したいことあって…。入ってもいい?」
瞬「あぁ、いいぜ。」
瞬の部屋に入り、向かい合わせで座った。
瞬「それで?話ってなんだ?」
凛月「俺、来週には東京に戻ろうと思うんだ。」
瞬「へぇ、いいじゃん。」
凛月「だから、今週残り3日。遥翔を知りたい。」
瞬「あぁ、なるほどね。いいよ、協力するぜ。」
凛月「ありがとう。あともう一つ…。決意表明させてくれ。」
瞬「え?何の?」
凛月「俺は今回瞬がいたから悪夢に押しつぶされずに済んだけど、もし次同じような夢を見たら、耐えられないかもしれないんだ。だから、今断言することで意思を強くしたい。そして、それをする相手は、絶対瞬がいい。」
瞬「わかった。」
俺は数回深呼吸した後、瞬と向き合い、言葉を連ねた。
凛月「瞬、俺はこの先どんなに弱音を吐いても悪夢を見ても遥翔を思い出すことを諦めない。たとえ、この選択が悪い方に転んだとしてもだ!」
瞬「おう、いい目だな。言質取ったからな?だから、逃げたくなったら俺のとこに来い。話くらいなら聞いてやれる。」
凛月「瞬、ありがとう。男前すぎるだろ…。」
決意表明をしたら、緊張の糸が解けて眠気が襲ってきた。
瞬「そろそろ寝るか。」
凛月「おう。」
部屋に戻り、俺は速やかに眠りについた。
次の日から3日間、俺は遥翔に関して瞬に色んな話を聞いた。出会った日のこと、学校での様子、思い詰めて瞬に弱音を吐露したこと、そして今も続いていること、現在は俺と向き合おうと前向きになっていること等、俺の知らないことばかりで頭が追い付かなかった。そして、3日目の夜には一通り話が聞き終わっていた。
瞬「ひとまず俺が話せるのはこんなとこだ。他に知りたいことあるか?」
凛月「いや、大丈夫。」
瞬「そうか、じゃあもう寝るか?明日早いだろ?」
凛月「うん、もう寝ようかな…。」
正直言うと、寝付けない気がした。視線を逸らして俯くと、瞬が声をかけてきた。
瞬「寝付けないのか?」
思いっきり図星をつかれた。
凛月「え?何でわかったの?エスパー?」
瞬「んなわけ。前から言ってんじゃん、わかりやすいんだって。」
凛月「うっ…!」
瞬「じゃあ来いよ。」
瞬はそう言って外に出た。瞬に着いて行くと、丘の上まで案内された。
瞬「ついたぞ。」
凛月「ここは?」
そう聞くと瞬はその場に寝転んだ。隣に来るよう促され、俺も寝転んだ。すると、満天の星が空に散らばっていた。
凛月「綺麗だ…。」
瞬「ここ、俺のお気に入りの場所なんだ。しばらく空見てると、自然と心が落ち着いてくる。」
凛月「あぁ。すごいな。」
10分ほど見てると、心身ともに落ち着きを取り戻した。
瞬「だいぶ落ち着いたか?」
凛月「あぁ、これなら寝られそうだ。」
瞬「それは良かったよ。じゃあ戻るか。」
そして家に戻った。そのまま部屋に行き、眠りについた。
翌日、俺は瞬のおばあさんに挨拶をして、駅へ向かった。瞬は見送りとして着いて来てくれた。
凛月「瞬、俺何回も助けられた。本当にありがとう。」
瞬「最後まで大袈裟だな。あ、そうだこれ。俺のLINEのID、困ったらいつでも連絡しろよ。」
凛月「おう!」
その後、瞬と別れて、東京行きの新幹線へと乗った。
瞬「おはよう、凛月。気分はどうだ?」
凛月「うっ…。うぅ…。」
俺は柄にもなく泣いてしまった。瞬の優しい笑顔に包まれ、思い切って瞬に飛びついた。
凛月「瞬…!う、うぅ…。」
子どもみたいに泣きじゃくる俺を瞬は優しくなだめてくれた。
瞬「よしよし、嫌な夢だったんだな。安心しろ、俺がいる。」
凛月「俺の存在が遥翔を苦しめてる、それならいっそ俺は…遥翔に会わない方がいいんじゃないかって思った。遥翔も俺を忘れたら、楽になれるんじゃないか?俺、今まで思い出すことが最善だと思ってた。でも、夢の中で遥翔は責任を感じて俺から遠ざかった…。俺が今やってることは正解なのか?なぁ、瞬、俺はどうしたらいいんだ…?」
瞬「凛月、ここから話すのは完全に俺個人の意見だ。どう捉えるかは凛月次第だ。」
瞬はそう前置きを置いて、話し始めた。
瞬「凛月、お前が今やってることは間違ってない。確かに遥翔は責任を感じてたし、苦しんでた。まぁ今も苦しんでるのかもしれないけどな。それでも、遥翔はお前に会いたがってるし向き合おうとしてる。俺的には凛月と遥翔の気持ちは一致してると思う。だから迷う必要なんてない。」
瞬の言葉がすっと心に刺さった。
凛月「ぐすっ。うん。俺、もうちょっと頑張る。ありがとな、瞬。」
瞬「いや、気にすんな。さすがにほっとけないからな。」
凛月「やっぱり優しいよ、瞬は。俺、瞬いなかったら諦めてた。」
瞬「なっ!どいつもこいつも大袈裟なんだよ!」
瞬はそっぽを向いてしまった。瞬の耳はとても赤かった。
凛月「ふふ、やっぱり素直じゃないね瞬は。あはは…待って、笑いが止まらん…。」
瞬「てめぇ…。笑ってんじゃねぇよ!ほら、もう落ち着いたろ?課題再開すんぞ!」
凛月「うん、やる!」
数時間ぶっ通しで課題を続けた。課題が終わるころには、外は暗くなっていた。
凛月「お、終わったぁ~!」
瞬「お疲れ、終わって良かったな。」
凛月「あぁ、本当にありがとな!」
瞬「どういたしまして。」
その後、夕食と風呂を済ませ、俺は瞬の部屋を訪ねた。
コンコン。
瞬「凛月か?」
凛月「うん、ちょっと話したいことあって…。入ってもいい?」
瞬「あぁ、いいぜ。」
瞬の部屋に入り、向かい合わせで座った。
瞬「それで?話ってなんだ?」
凛月「俺、来週には東京に戻ろうと思うんだ。」
瞬「へぇ、いいじゃん。」
凛月「だから、今週残り3日。遥翔を知りたい。」
瞬「あぁ、なるほどね。いいよ、協力するぜ。」
凛月「ありがとう。あともう一つ…。決意表明させてくれ。」
瞬「え?何の?」
凛月「俺は今回瞬がいたから悪夢に押しつぶされずに済んだけど、もし次同じような夢を見たら、耐えられないかもしれないんだ。だから、今断言することで意思を強くしたい。そして、それをする相手は、絶対瞬がいい。」
瞬「わかった。」
俺は数回深呼吸した後、瞬と向き合い、言葉を連ねた。
凛月「瞬、俺はこの先どんなに弱音を吐いても悪夢を見ても遥翔を思い出すことを諦めない。たとえ、この選択が悪い方に転んだとしてもだ!」
瞬「おう、いい目だな。言質取ったからな?だから、逃げたくなったら俺のとこに来い。話くらいなら聞いてやれる。」
凛月「瞬、ありがとう。男前すぎるだろ…。」
決意表明をしたら、緊張の糸が解けて眠気が襲ってきた。
瞬「そろそろ寝るか。」
凛月「おう。」
部屋に戻り、俺は速やかに眠りについた。
次の日から3日間、俺は遥翔に関して瞬に色んな話を聞いた。出会った日のこと、学校での様子、思い詰めて瞬に弱音を吐露したこと、そして今も続いていること、現在は俺と向き合おうと前向きになっていること等、俺の知らないことばかりで頭が追い付かなかった。そして、3日目の夜には一通り話が聞き終わっていた。
瞬「ひとまず俺が話せるのはこんなとこだ。他に知りたいことあるか?」
凛月「いや、大丈夫。」
瞬「そうか、じゃあもう寝るか?明日早いだろ?」
凛月「うん、もう寝ようかな…。」
正直言うと、寝付けない気がした。視線を逸らして俯くと、瞬が声をかけてきた。
瞬「寝付けないのか?」
思いっきり図星をつかれた。
凛月「え?何でわかったの?エスパー?」
瞬「んなわけ。前から言ってんじゃん、わかりやすいんだって。」
凛月「うっ…!」
瞬「じゃあ来いよ。」
瞬はそう言って外に出た。瞬に着いて行くと、丘の上まで案内された。
瞬「ついたぞ。」
凛月「ここは?」
そう聞くと瞬はその場に寝転んだ。隣に来るよう促され、俺も寝転んだ。すると、満天の星が空に散らばっていた。
凛月「綺麗だ…。」
瞬「ここ、俺のお気に入りの場所なんだ。しばらく空見てると、自然と心が落ち着いてくる。」
凛月「あぁ。すごいな。」
10分ほど見てると、心身ともに落ち着きを取り戻した。
瞬「だいぶ落ち着いたか?」
凛月「あぁ、これなら寝られそうだ。」
瞬「それは良かったよ。じゃあ戻るか。」
そして家に戻った。そのまま部屋に行き、眠りについた。
翌日、俺は瞬のおばあさんに挨拶をして、駅へ向かった。瞬は見送りとして着いて来てくれた。
凛月「瞬、俺何回も助けられた。本当にありがとう。」
瞬「最後まで大袈裟だな。あ、そうだこれ。俺のLINEのID、困ったらいつでも連絡しろよ。」
凛月「おう!」
その後、瞬と別れて、東京行きの新幹線へと乗った。