碧い夏の約束
長い夏休みも終わりを告げ、今日から2学期の始まりである。しかし、俺は自分の過ちを悔やむこととなった。それは、部長と顧問に呼び出されたことで始まった。
凛月「失礼します。」
顧問「あぁ、凛月か。こっちだ。」
部長「凛月、呼ばれた理由に心当たりはあるか?」
凛月「すみません、思い当たる節がありすぎて、どれのことだかさっぱりです…。」
部長「当然聞きたいのは夏休み中の部活のことだ。」
俺はその言葉を聞いて、顔から血の気が引いた。
凛月「無断で休んでしまってすみませんでした…。」
顧問「どこに行っていたんだ?連絡できなかった理由は?」
凛月「私用で岩手へ行っていました。勢いで飛び出したため、連絡が抜けてしまいました。」
部長「私用?」
凛月「はい。どうしても夏休みで行かないとって思いまして…。」
顧問「お前、そんな理由が通ると思ってるのか?」
凛月「いいえ、今回は自分のミスが生んだ結果です。どんな罰でも受けます。」
部長「凛月、その事情は何を捨てても譲歩できないほど重要なものなのか?」
凛月「はい。絶対に譲れません。」
部長「そうか。先生、凛月の罰は1カ月の掃除当番でどうでしょうか?」
顧問「本来の部の規則は、1週間の部活停止だが…、その決断はどういう考えだ?」
部長「凛月は確かに連絡を怠りました。しかし、今回凛月は部活よりも重要な事情を抱えていました。俺らにも話せないようなことです。先生も急に私用で休むこともありますよね?そのことを踏まえると、部活停止は重すぎると考えます。この後の大会も考えると、凛月は必要不可欠な存在です。どうかご検討お願いします。」
部長の熱意に根負けした先生は、部長の提案をのんだ。
凛月「部長、ありがとうございました。」
部長「いや、実は結華から聞いてたんだ。凛月はサボってるわけじゃない、どうしても譲れない事情があるんだって。」
凛月「そうだったんですね。俺、結華のとこ行ってきます。」
部長「おう!」
俺は結華にLINEし、教室へ向かった。
凛月「結華!」
結華「あ、凛月。お帰り!先生に絞られた??」
凛月「あぁ、たっぷりな。でも、1カ月の掃除当番で許された。」
結華「そっか、良かったね!」
凛月「おう。結華、ありがとな。部長に掛け合ってくれたんだろ?」
結華「え、何で知ってんの??」
凛月「部長から聞いた。嬉しかったし助かった、ありがとう。」
結華「どういたしまして!凛月は詰めが甘いんだから!」
凛月「あぁ、そうだな。」
その後、集会を受け帰路についた。
結華「ねぇ凛月。あれから何か思い出した?」
凛月「約束のこと、事故の日は思い出した。でも、遥翔と出会った日とか遊んだ思い出、遥翔の容貌が思い出せないんだよな…。」
結華「そうなんだ。そう簡単にはいかないよね。」
凛月「そうだな、でも不思議と前みたいな焦りはないんだ。」
結華「え?」
凛月「前は、約束の日までに絶対に思い出さないとって自分を思い詰めてた。中々結果に結びつかなくて、結華にも迷惑かけた自覚ある。でも、岩手に行って遥翔も俺と同じように悩んで苦しんでたんだってことを知ったら、もがいてたのは俺だけじゃないんだって思えた。あとは、何度も励まして背中押してくれた瞬のおかげだな。」
結華「そっか…。変わったね、凛月。」
凛月「え、そう?」
結華「うん、急に大人になったみたい。」
凛月「あ?それ、前はガキっぽかったってことか?」
結華「え?あ~…。ち、違うよ!!別にそういう意味で言ったんじゃなくて…その~…。」
結華は何度も目を泳がせた。これは、必死に弁明しようとしてるときの癖だ。
凛月「あ~!もういい!どうせガキでしたよーだ!!」
俺は、苛立ちとからかいを込めて走り出した。
結華「あ!凛月待ってよ!ごめんってば!」
結華も俺を追いかけてきた。何だか、日常が戻ってきたみたいだ。俺は嬉しさを噛みしめながら、結華と帰った。
凛月「失礼します。」
顧問「あぁ、凛月か。こっちだ。」
部長「凛月、呼ばれた理由に心当たりはあるか?」
凛月「すみません、思い当たる節がありすぎて、どれのことだかさっぱりです…。」
部長「当然聞きたいのは夏休み中の部活のことだ。」
俺はその言葉を聞いて、顔から血の気が引いた。
凛月「無断で休んでしまってすみませんでした…。」
顧問「どこに行っていたんだ?連絡できなかった理由は?」
凛月「私用で岩手へ行っていました。勢いで飛び出したため、連絡が抜けてしまいました。」
部長「私用?」
凛月「はい。どうしても夏休みで行かないとって思いまして…。」
顧問「お前、そんな理由が通ると思ってるのか?」
凛月「いいえ、今回は自分のミスが生んだ結果です。どんな罰でも受けます。」
部長「凛月、その事情は何を捨てても譲歩できないほど重要なものなのか?」
凛月「はい。絶対に譲れません。」
部長「そうか。先生、凛月の罰は1カ月の掃除当番でどうでしょうか?」
顧問「本来の部の規則は、1週間の部活停止だが…、その決断はどういう考えだ?」
部長「凛月は確かに連絡を怠りました。しかし、今回凛月は部活よりも重要な事情を抱えていました。俺らにも話せないようなことです。先生も急に私用で休むこともありますよね?そのことを踏まえると、部活停止は重すぎると考えます。この後の大会も考えると、凛月は必要不可欠な存在です。どうかご検討お願いします。」
部長の熱意に根負けした先生は、部長の提案をのんだ。
凛月「部長、ありがとうございました。」
部長「いや、実は結華から聞いてたんだ。凛月はサボってるわけじゃない、どうしても譲れない事情があるんだって。」
凛月「そうだったんですね。俺、結華のとこ行ってきます。」
部長「おう!」
俺は結華にLINEし、教室へ向かった。
凛月「結華!」
結華「あ、凛月。お帰り!先生に絞られた??」
凛月「あぁ、たっぷりな。でも、1カ月の掃除当番で許された。」
結華「そっか、良かったね!」
凛月「おう。結華、ありがとな。部長に掛け合ってくれたんだろ?」
結華「え、何で知ってんの??」
凛月「部長から聞いた。嬉しかったし助かった、ありがとう。」
結華「どういたしまして!凛月は詰めが甘いんだから!」
凛月「あぁ、そうだな。」
その後、集会を受け帰路についた。
結華「ねぇ凛月。あれから何か思い出した?」
凛月「約束のこと、事故の日は思い出した。でも、遥翔と出会った日とか遊んだ思い出、遥翔の容貌が思い出せないんだよな…。」
結華「そうなんだ。そう簡単にはいかないよね。」
凛月「そうだな、でも不思議と前みたいな焦りはないんだ。」
結華「え?」
凛月「前は、約束の日までに絶対に思い出さないとって自分を思い詰めてた。中々結果に結びつかなくて、結華にも迷惑かけた自覚ある。でも、岩手に行って遥翔も俺と同じように悩んで苦しんでたんだってことを知ったら、もがいてたのは俺だけじゃないんだって思えた。あとは、何度も励まして背中押してくれた瞬のおかげだな。」
結華「そっか…。変わったね、凛月。」
凛月「え、そう?」
結華「うん、急に大人になったみたい。」
凛月「あ?それ、前はガキっぽかったってことか?」
結華「え?あ~…。ち、違うよ!!別にそういう意味で言ったんじゃなくて…その~…。」
結華は何度も目を泳がせた。これは、必死に弁明しようとしてるときの癖だ。
凛月「あ~!もういい!どうせガキでしたよーだ!!」
俺は、苛立ちとからかいを込めて走り出した。
結華「あ!凛月待ってよ!ごめんってば!」
結華も俺を追いかけてきた。何だか、日常が戻ってきたみたいだ。俺は嬉しさを噛みしめながら、結華と帰った。