碧い夏の約束
瞬の家に到着し、その日はゆっくりすることにした。

翌日、俺は瞬の部屋を訪ねた。

コンコン。

瞬「どうぞ。」

ガチャッ。

瞬「凛月か、どうした?」

凛月「その、夏休み明けてから、特に進展はないんだ。だからどうしたもんかと思って…。」

瞬「今回急に会いたいって言ったのはそれか?」

凛月「あぁ、無理言って悪いな。」

瞬「いや、全然。俺も凛月に話したいことあったし。」

凛月「話したいこと?」

瞬「そう、遥翔のことな。夏休み明けから様子が変でさ…。」

凛月「そうなんだな。どんな感じなんだ?」

瞬「ちょっと長くなるけどいいか?」

凛月「おう。」

瞬が話を始めようとした瞬間、ドアがノックされた。

コンコン。

瞬「どうぞ。」

ガチャッ。

結華「お邪魔します。話してる最中にごめんね。内容が聞こえちゃって、私も聞きたいなって思って。」

瞬「あぁ、かまわないよ。むしろ聞いていた方がいいかもしれない。夏休み明け初日から様子がおかしかったが、最近は特に酷い。」

そして瞬はもう一度話を始めた。



夏休み明けてから2週間後

瞬「遥翔、ノート回収する。」

遥翔「えっ!?あ、あ~サンキュー!」

瞬「悪い、驚かしたか?」

遥翔「大丈夫、大丈夫…。」

遥翔はそう言って目を逸らした。

瞬「遥翔、お前やっぱり何かあるんじゃないか?」

遥翔「え!?な、なんもねぇって!あはははは…。」

瞬「そんなお粗末な嘘が通るわけないだろ?」

遥翔「え~っと…。あ!俺顧問に呼ばれてるから行くわ!じゃあな!」

瞬「あ、おい!遥翔!!」



瞬「こんな感じで何回も話を逸らされたり、逃げられたりしてるんだよな。話してくれるの待ったり、話せるように促したりしてるけどこのままじゃ埒が明かないんだよな。」

結華「遥翔らしいわ。あいつ、大事なこと何にも言わないのよ!!」

瞬「そうなんだよな。全部一人何とかしようとしてる。」

結華「でも、遥翔がそうなってるときは何か話せないほど大きな事件があったときね。」

瞬「やっぱりそうなんだな。どうせ俺を巻き込みたくないとか余計なこと考えてるんだろうな。なんとしてでも吐かせてやる。」

結華「えぇ、その方がいい。でないと、遥翔がもたない…。」

凛月「でも具体的にどうするんだ?」

瞬「手はある。遥翔の逃げ道を塞ぐなんて簡単だ。万が一逃げられても、足の速さは同じだし、体力勝負に持ち込めば俺の勝ちだ。」

凛月「そ、そうか…。すごいな瞬。」

結華「えぇ、すごうわね。遥翔も結構速いのに…。」

瞬「まぁ、俺の話はこんなもんだ。次は凛月の番だぜ?」

凛月「お、おう。」
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