きみに恋した数ヶ月。〜君にさようならをする時〜
空翔に私が下した一つの決断
「愛?起きてる?」
「ん?ぅぅ…」
身体を起こすと、激しい頭痛に襲われた。
「い、痛い…」
頭が割れそう…!あぁ!
「愛!?入るよ!」
バタンとドアの音をたて、私が身体をくねっているのをみると目を見開いた。
「愛!?大丈夫!?」
「頭、痛い…」
「ちょっと、待っててね!薬持ってくるから!」
お母さんは、そう言ってバタバタと音をたてながら薬を取りに行った。
「愛!薬!飲める?」
「あ、ありがとう…」
そう言って、薬を口に含み水で流し込んだ。
何分か経った後、痛みは引いてきた。
「愛?」
お父さんも、出勤前なはずなのに私の部屋に来た。
「あなた、病院行ったほうが良いわよね?」
「そうだな、俺も有給取る。行こう」
2人は、急いで荷物をまとめ、車に運んだ。
私は、お父さんにお姫様抱っこされ車に乗り込んだ。
20 / 31
「愛?」
「麻優お姉ちゃん?」
亡くなったはずの麻優お姉ちゃんがいた。
「うん。愛、まだこっちに来ちゃ駄目。待ってるから」
そこで、私は夢から覚めた。
「愛?」
お父さんとお母さんの声だ。
「愛ちゃん、入院だよ」
次に来たのは、先生の声、だった。
「どう、して?」
「腫瘍が大きくなっているんだ。このままだと、言語などに支障が出てくるんだ」
え、つまりは余命が縮まった?
嫌だ、私はまだ死ねない。空翔とまだ感情を蘇らせられていない!
駄目。それまで、耐えて。おねがい、私の中にある身体(みんな)。
それから、私は入院することになった。
空翔と、美南はお見舞いに来てくれなんやかんや心配しているみたい。
21 / 31
ある日の昼下がり。
夏休みに入ったからと毎日来てくれた。でも、私はもう1人で死んだほうが空翔は悲しまない。そう思い、私は言った。
「空翔。もう、お見舞い来ないで」
「な、何で?」
明らかに動揺していた。
「私ね、もう空翔に悲しんでほしくないんだ」
「でも!」
「やめておいた方がいいよ」
空翔が言う前に言ったら空翔は、悲しい顔を浮かべてしぶしぶというように頷いて、帰っていった。
誰もいない病室で一息ついた。
これで、良い。
なのに、なんでこんなにも胸がギリギリと痛むのだろうか。ひょっとして、私は本当は、空翔と一緒にいたいとか?
ありえない。自分から別れを告げたのに。でも、涙がとめどめなく落ちてくる。
まるで、映画に感動してボロボロ泣いているみたい。
「っ、」
本当は、もっと長生きしてたくさん笑いあいたかったんだ。でも、もう遅い。空翔に合わせる顔が、ない。
どうしよう。
このまま、空翔に気づかれぬまま死ぬのだろうか。
こんな私の疑問を壊したのは、他でもない空翔だった。
「ん?ぅぅ…」
身体を起こすと、激しい頭痛に襲われた。
「い、痛い…」
頭が割れそう…!あぁ!
「愛!?入るよ!」
バタンとドアの音をたて、私が身体をくねっているのをみると目を見開いた。
「愛!?大丈夫!?」
「頭、痛い…」
「ちょっと、待っててね!薬持ってくるから!」
お母さんは、そう言ってバタバタと音をたてながら薬を取りに行った。
「愛!薬!飲める?」
「あ、ありがとう…」
そう言って、薬を口に含み水で流し込んだ。
何分か経った後、痛みは引いてきた。
「愛?」
お父さんも、出勤前なはずなのに私の部屋に来た。
「あなた、病院行ったほうが良いわよね?」
「そうだな、俺も有給取る。行こう」
2人は、急いで荷物をまとめ、車に運んだ。
私は、お父さんにお姫様抱っこされ車に乗り込んだ。
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「愛?」
「麻優お姉ちゃん?」
亡くなったはずの麻優お姉ちゃんがいた。
「うん。愛、まだこっちに来ちゃ駄目。待ってるから」
そこで、私は夢から覚めた。
「愛?」
お父さんとお母さんの声だ。
「愛ちゃん、入院だよ」
次に来たのは、先生の声、だった。
「どう、して?」
「腫瘍が大きくなっているんだ。このままだと、言語などに支障が出てくるんだ」
え、つまりは余命が縮まった?
嫌だ、私はまだ死ねない。空翔とまだ感情を蘇らせられていない!
駄目。それまで、耐えて。おねがい、私の中にある身体(みんな)。
それから、私は入院することになった。
空翔と、美南はお見舞いに来てくれなんやかんや心配しているみたい。
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ある日の昼下がり。
夏休みに入ったからと毎日来てくれた。でも、私はもう1人で死んだほうが空翔は悲しまない。そう思い、私は言った。
「空翔。もう、お見舞い来ないで」
「な、何で?」
明らかに動揺していた。
「私ね、もう空翔に悲しんでほしくないんだ」
「でも!」
「やめておいた方がいいよ」
空翔が言う前に言ったら空翔は、悲しい顔を浮かべてしぶしぶというように頷いて、帰っていった。
誰もいない病室で一息ついた。
これで、良い。
なのに、なんでこんなにも胸がギリギリと痛むのだろうか。ひょっとして、私は本当は、空翔と一緒にいたいとか?
ありえない。自分から別れを告げたのに。でも、涙がとめどめなく落ちてくる。
まるで、映画に感動してボロボロ泣いているみたい。
「っ、」
本当は、もっと長生きしてたくさん笑いあいたかったんだ。でも、もう遅い。空翔に合わせる顔が、ない。
どうしよう。
このまま、空翔に気づかれぬまま死ぬのだろうか。
こんな私の疑問を壊したのは、他でもない空翔だった。