きみに恋した数ヶ月。〜君にさようならをする時〜

旅行

「先生!」


「なんだい?」


朝一番に私は先生に問う。


「明日、旅行に行っていいですか!?」

「急に、どうしたの?」

「最後の思い出を作りたくて!」

私の熱意が伝わったのかあっさりと了承してくれた。


「あ、愛ちゃん。実際にどこ行くの?」


「長崎!海とカステラを!」


「なるほどねぇ。良いね。先生も行きたい。あ、そうだ。愛ちゃん、無理だけはしないで。倒れたら、一緒にいる人に頼んどいて。まず、薬のことと病状について言ってほしい。向こうは、分からないから」


いい?と聞いてきたので、元気よく返事をした。

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「お母さん!」


「どうしたの?」


「旅行セット持ってきて!」


「ど、どうして?」

明らかに動揺していた。

「明日、旅行に行くから!」


お母さんは、分かったわと言ってあまり深くは聞いてこなかった。











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