きみに恋した数ヶ月。〜君にさようならをする時〜
空翔side


愛には、いつかはバレるだろうと思っていた。でも、こんなにもはやく話すことになるとは思わなかった。


「あぁ。大切な人を失って、俺は感情を感じなくなった」


初めて言ったこの言葉。


「そ、そう。大切な人を…。誰か聞いても大、丈夫?」


愛にしては歯切れが悪い。もしかして、俺を心配しているのか…?こんな、俺を?


でも、いずれ愛にはわかってもらうつもりだった。


「俺が大好きだった人」


「っ!!」

俺がそう答えると、愛は大急ぎでお弁当を片付け屋上から飛び出した。「愛っ!」と声をかける時間すらも無かった。



< 6 / 22 >

この作品をシェア

pagetop