恋のコードが解けるまで

チェックインに間に合うよう、車で島崎さんがホテルへ送ってくれた。

社用車は寒冷地仕様車で4輪駆動の結構しっかりしたミニバンだった「バッテリー容量がアップしているんですよ」と説明してくれた。
ドアミラーにヒーターが内蔵されていたり、ドアの凍結防止をしていたり、低温で寒い過酷な環境でも、できるだけ快適さを確保できるよう考えられていた。
日本の技術、開発者たちが日夜考え努力しているんだなと感心した。

東京から離れ地方へ来ると、その土地特有の風景や食べ物、そこに住む人々に出会い触れ合う事により、新しい知識が増え興味が芽生える。

自分には変化は必要ないと考え、変わらない日常を愛していた杏奈だったが、知らない環境は興味深く、新たな発見に気付かされることは面白かった。
 
 
車中で仕事をするからと後部座席に鈴木さんが乗ったので、杏奈は助手席に乗らざるをえなかった。運転手の島崎さんとの会話必須な助手席は、魔のゾーンだ。ダメージが約130%、全ての攻撃が約70%に変化する。
 
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