恋のコードが解けるまで
「ベッド窓際だと寒くないですか?和室側のベッド使ったらいいのに」
「……和室は暖かい?」
鈴木さんは目を閉じたままゆっくりと尋ねた。
「和室は窓がないので暖かいです」
「俺も……和室で寝ていい?」
そう言うと、鈴木さんは少し赤くなった目で杏奈を見上げた。
なにそのわがまま。酔っぱらってるから?せっかく布団敷いたのに。
「……ちょっと待っていてください。布団もう一枚敷くの面倒なので私が敷いた布団で寝てください。まだ使ってないんで」
杏奈は和室に置いてある自分の荷物をまとめて洋室に移動した。
「鈴木さん動けますか?ここです」
鈴木さんが杏奈の肩に腕をまわし杏奈は腰を支えた。
意外としっかりした足取りだ。
鈴木を布団に寝かせた。鈴木さんの手が杏奈の腕から手首へ滑って降りてくる。
杏奈は立ち上がり電気を消した。
そしてそっと和室の障子を閉めると、杏奈は洋室のベッドに入って眠りについた。