僕は彼女に絆されている
【琉夏くん、お疲れ様です!
今日行く居酒屋さんですが…
○○駅から、歩いて10分くらいの所にある△△っていう居酒屋さんです(⁠•⁠‿⁠•⁠)
○○駅に大きな案内看板があるらしいので、わかりやすいそうです!
情報、シェアしておくので確認よろしくお願いします!
19時から始まって、2時間半の飲み放題らしいです。
なので、21時半には解散になると思います!
また、連絡しますね!】

すぐに返信をする。

〚ノコ、お疲れ様!
連絡ありがとう!
じゃあ…21時半には、そこに行けるようにしておくね!〛

少し早めに行って、駅横のカフェで待ってよう。

そんなことを考えていると……

「あ、そういえば!」
ミシマが、思い出したように声をあげた。

「え?」

「ヒガ、どうしたの?」

「は?」

「最近、一緒にいないなと思ってさ」

「あー、はっきり言ったから。
“付き纏わないで”って」

「ふーん…あんな美人に?(笑)」

「美人?
ヒガが?(笑)
何、それ!ウケる〜」

「はい?」

「“美人”の本当の意味を勉強した方がいいよ?」

「は?」

「ううん、別に。
まぁ…“飾りには”良いんじゃない?」

琉夏はそう言い捨て、弁当を持ち休憩所を出た。

「“飾り”って……」

取り残されたようなミシマ。
閉まったドアを見て、そう呟いた。


そして――――――

仕事を終え華乃子は、社員達と居酒屋に向かう。

「とりあえず、飲み物頼もう!」

華乃子は、琉夏に言われたようにホリベの横に座った。
「新川さん、何飲む?」

「えーと…ビール?ですかね?最初は」

「良いのよ?飲みたいもの言って」

「あ、じゃあ…ハイボールを…」

飲み物を頼み、課長が挨拶をして「カンパーイ!」と声を揃えて言い、歓迎会が開始した。

華乃子は、この一杯だけで済ませるつもりで少しずつ飲んでいた。

「新川さん、お酒苦手?」

「え?」

「だって、まだ一杯目よね?
私なんか、もう…三杯目なのに(笑)」

「えーと…」
(お酒嫌いじゃないけど、でも…好きって言うと勧められるよね……
琉夏くんと約束してるし、飲み過ぎるとほんと私記憶なくすし……)

「新川さん?」

「あ、私…すぐ酔うので!
だから、控えてて……」
(よし、これなら、嘘にはならないよね?
お酒強くないのは、本当だし)

ホリベは“そっかぁー”と、それ以上聞いてこなかった。
華乃子は、ホッと肩を撫で下ろしていた。
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