僕は彼女に絆されている
(よし!もうすぐで、2時間半経つ!
なんとか、2杯で抑えられた!)
スマホの時間を確認し、心の中でホッとしている華乃子。
あれから課長に酒を勧められ、断りきれずにしかたなくもう1杯飲んでいた。

その後はホリベが上手く言ってくれ、なんとか切り抜けたのだ。


「――――じゃあ…みんな、これからも一緒に頑張って行きましょう!」

解散になり、華乃子は琉夏に電話をかけようとする。

「新川さん!」
そこに、同僚の男性社員・カハラが声をかけてきた。

「あ、カハラさん!お疲れ様です!」

「今から二次会行こうってことになってさ!
行かない?」

「え?あ…すみません!
私、帰らないとなので…」

「え?門限とか?
新川さん、実家?」  

「いえ」
(こうゆう時、なんて言ったらいいのー?)

「じゃあいいじゃん!
まだ飲み足りないし、パァーと飲もうよ!
もちろん、帰りは家まで送るよ?」

「………」
(どうしよう…
こうゆうの、付き合ったほうがいいのかな?)

すると………

「ノコ!!」
琉夏の声が響いて、グッと強い力で引き寄せられた。

「あ…琉夏くん!」  

「終わったんでしょ?帰ろ?」

「えーと…
今、二次会に誘われて、その……」

「ダメだよ!」

「え?」

「すみません。
明日僕達、朝から用事があるんです。
早く休まないといけないので、連れて帰りますね!」
琉夏がカハラに丁寧に頭を下げ、華乃子の手を引いて去っていった。

「え?え?
何、あのイケメン…」

「あれ?
新川さんは?もしかして、一人で帰った!?
一緒に帰ろうと思ってたのに…」
トイレに行っていたホリベが来て、カハラに声をかける。

「いや、なんか…イケメンが来て、連れてかれました…」

「イケメン?
あー!彼氏か!
だったら、良かった!
じゃあ私も帰るね〜、彼が家で待ってるし!
お疲れ様〜」

「ちょ…ちょっと待ってください!!」
カハラが、ホリベの手を掴んだ。

「え?何!?」
 
「新川さん、彼氏いるんすか!?」

「うん。
めっちゃイケメンのね!」

「そう…なんだ…」

「…………ん?カハラくん、好きだったの?」

「あ、いや…好きっつうか…可愛いなって思ってて…」

「確かにね!
顔…ってゆうか、雰囲気?可愛いのよね〜」

「正直、顔は普通だしタイプじゃないけど、なんか仕草とか雰囲気とかが、可愛らしいなぁと…」

「そうなのよね〜
きっと彼氏さんも、そうゆうところが好きなんだろうなぁ〜!
会ったことないけど…新川さんの話聞いてると、彼氏さんの方がベタ惚れみたいだし(笑)
…………まっ、諦めな!」

ホリベは、カハラの肩をポンポンと叩いた。
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