僕は彼女に絆されている
シャッター音が鳴り、琉夏とのツーショットが撮られた。

カメラ目線の琉夏と、琉夏に見惚れている華乃子。

「ノコ、僕見ないでレンズ見なきゃだよ?(笑)」
「でも、見ちゃいます/////
琉夏くん、カッコいいから…!」

フフ…とまたはにかむと、カシャッと突然写真を撮られた。

「え?え?え?え!!!?」

「可愛い!
僕、この顔好きだな〜」

「あー!琉夏くんだけズルいです!!!」

「フフ…!
油断したノコが悪い(笑)」

「えー!!」

「ほら!ノコ、起きないと!
仕事、遅れる!」

「………」

華乃子は“絶対、ベストショット撮ってやる!”と心の中で誓った。

華乃子が朝食と2人分の弁当を作っている間、琉夏は洗濯物を干す。
毎朝、タイマーで洗濯を済ませているから。

琉夏が洗濯物を干して戻ると、今度は華乃子の調理を手伝う。

「琉夏くん、ごめんなさい。
食材が少なくて、代わり映えのないお弁当になりました…」

「ううん!大丈夫だよ!
でも、美味しそう!」

「そう言っていただけると…!」

「フフ…いつもありがとう!」

「……/////」
(綺麗な笑顔//////)


「――――ノコ、これ持ってってい?」
ローテーブルに朝食を運ぶ琉夏。

そしてラグの上に並んで座り、食べ始めた。
「ノコ、いただきます!」

琉夏は必ず、華乃子の目を見て手を合わせ言ってくれる。
こうゆう、何気ないことをきちんと行うところも琉夏の素敵なところだ。

「あ、琉夏くん。
今日、仕事終わりに買い物して帰ろうと思うんですが、何かいる物ありますか?」

「え?買い物?
一緒に行こうよ!」

「え?大丈夫ですよ?
今日は、重たい物はないですし」

「そうじゃなくて!」

「へ?」

「デート!
ノコとデートしたいの!
普段の買い物でも、十分デートだよ?」

「あ…/////はい/////」


食器の片付けも一緒にして、着替える二人。
メイクをしている華乃子。
琉夏は、ベランダで煙草を吸っていた。

メイク途中、華乃子はスマホを持ちベランダの窓から琉夏を見つめた。

煙草を吸っている琉夏を写真に収めようと思ったからだ。

スマホを構えて、華乃子は琉夏を呼んだ。

「琉夏くん!」

「ん?」
琉夏が振り向いた瞬間、カシャッと写真を撮った。
< 2 / 43 >

この作品をシェア

pagetop