僕は彼女に絆されている
イチゴ飴を一つ購入し、二人は近くのベンチに座った。
「結構、大きなイチゴですね(笑)」

琉夏が持つイチゴ飴を見て微笑む華乃子に、差し出す。
「はい、ノコ!」
「え?琉夏くん、先にどうぞ?」

「ノコが先でしょ?
僕は、一口貰えればいいんだし。
ほら、あーん!」

口を開けると、琉夏が口元へもってきた。
おもいきって口を開け、上の方をかぶりつく。
パリッと飴が割れて、苺と一緒に口の中に入れる。

「ん!おいひぃ…!」
口元を手で隠し、微笑んだ。

「フフ…可愛いなぁ」

「琉夏くんも!
美味しいですよ?」

琉夏も、少しかじった。
「ん、甘っ!(笑)」

「フフ…!
琉夏くん、甘いのあんまり食べないですもんね!
…………あ!琉夏くん、飴が口に…(笑)」

「ん?どこ?」

「ここです(笑)」
華乃子がハンカチを巾着から取り出し、琉夏の口元を拭く。
するとその手を掴んできた、琉夏。

「え?
琉夏く―――――んんっ!」
引き寄せられて、口唇を奪われた。

「ん…確かに、甘いの苦手かな?
でも、ノコとのキスなら大歓迎だよ…!」
口元で囁かれ、華乃子は顔を真っ赤にして何度も頷いた。

それから残りのイチゴ飴を食べている間、琉夏はスマホゲームをしていた。

「……/////」
(いつ見ても、何をしてても、カッコいい/////)

浴衣姿で、足を組んでいる。
ただそれだけなのに、様になっている。

「……/////」
(しかも、色っぽい…//////)

写真、撮りたいな。

そう思い、華乃子はスマホを取り出した。
琉夏に向け、構える。

スマホ画面の中で、琉夏がこちらを向く。
「あ…」

「ノコ」

「ごめんなさい…」

「撮りたいなら“一緒”って言ったよね?」

「でもこの、美しい横顔を収めたいなと…」

「じゃあ僕も、その可愛い顔を収めさせて?」

「………」

「………」

「………ツーショットで、お願いします…」

「はい、喜んで!」

自信がないこの容姿を単独で撮られるなら、まだツーショットの方がいい。
単独だと、上手く笑えないから。

琉夏がぴったりくっついて、腰を抱いてきた。
「……/////」
そして、スマホを構える。

「はい、撮るよ?
3、2…1!」

ツーショットの写真が、また一つ増えた。
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