僕は彼女に絆されている
もっと、ワガママ言って?
職場にて……休憩中。

共有スケジュールを見ていた、華乃子。
琉夏に予定が入っているのを確認する。

「琉夏くん、飲み会かぁ…」

同棲を始めて、初めての一人の夜だ。


その日。
仕事から帰り、琉夏がいないので洗濯物を畳み、風呂の掃除をして、夕食の準備をした。

たったこれだけの家事をしただけで、何度もため息をついていた。

「うぅ…寂しい…」

夕食も……

「美味しくない…」

半分以上残した。
残ったおかずをラップし、冷蔵庫へ入れる。

「………」

小説を読もうと思い、ローソファに座って好きな小説を読む。

「………」

全く、身が入らない。
いつもは、物語の中の人物に感情移入するくらい集中できるのに。

「………」

何か、甘い物でも食べようと思い立ち、華乃子はスマホと財布を持って近くのコンビニに向かった。

アイス、プリン、ロールケーキなど…
色々買って、バク食いしようと考えていた。

(夕食食べてないから、全然食べれるし!)


マンションに帰り着き、袋から出して気付く。

「…………ん?
なんで…!?」

アイス、プリン、ロールケーキなど…
全て、2つずつ買っていた。

「私…何やってるんだろ……」

今の今まで“一人で”バク食いするつもりだった。
琉夏のいない寂しい時間の気を紛らわせるために。

「食べる気…失せた……」

全て、冷蔵庫にしまった。

項垂れたように、ローソファに戻り座る。
なんとなく音が欲しくて、テレビをつけた。

ボーッとテレビを見て、時間を潰す。

「………」

無意味な時間が流れているような気がする。

「…………あーーー!もう!!」


華乃子は、初めて気がついた。



「私……こんなになるくらい、琉夏くんのことが大好きなんだ……!」
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