僕は彼女に絆されている
コーヒーを淹れ、テーブルにはアイス、プリン、ロールケーキ、シュークリームが並んでいる。

「ノコ、食べよう?」

「………」

「ノコ?」

「ごめんなさい…琉夏くん」

「え?なんで謝るの?」

「琉夏くんに、当たってしまいました…」

「うん。
大丈夫だよ!
全部、受け止めるよ?」

「………」

「でも、どうしてそんな不機嫌なのか教えてくれる?」

華乃子の顔を覗き込んで、優しく問いかけた。

「今日…」

「うん」

「同棲して初めて、琉夏くんのいない夜だったので寂しくて……」

「そうだね。ごめんね…」

「あ、いえ!
謝ってほしいのではなく…
それで、いつも通り夕ご飯作ったり、洗濯物を取り込んだりして、いざ食べようと思ったら、全く美味しくなくて……
結局食べずに、冷蔵庫にしまいました。
小説読んでたら気が紛れるかなって読んでたけど、全然集中出来ないし。
それで、甘い物をバク食いしようと思ってコンビニで買ってきたら、無意識に2個ずつ買ってました…
本当に、無意識に…
そんな自分が、なんか情けなくて…
私、琉夏くんに依存ってゆうか…琉夏くんがいないと何もできないみたいです…」

「そっか…
……………ごめん、ノコ」

「え?」

「それ、嬉しい…!」

「え?え?」

「“それくらい”僕のこと好きってことでしょ?
嬉しい!」

「……/////」

「いいんだよ?
もっと、ワガママ言って?」

「でも…」

「ノコだけは許される。
ノコのワガママ、大歓迎だよ?」

「…………琉夏くん、優しすぎます!」
微笑む琉夏に、苦笑いの華乃子。

「うん、甘やかしたい!」

「ダメですよ!」

「えー、いいでしょ?
それより、アイス溶けるよ?食べよ?」


それから二人は、全て食べきった。
さすがに琉夏は最後の方苦しそうだったが、華乃子に寂しい思いをさせたから…と、最後まで付き合ってくれた。

そんな琉夏に、愛しさが増す華乃子だった。
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