僕は彼女に絆されている
「ノコ」

「は、はい!」

「映画、どうしようか?」

「へ?
あ…えーと……」

「ん?」

「あ、あの…で、できれば…
明日にまわしていただけると…」

「えー!見たかったなぁー(笑)」
わざとに言う、琉夏。

「すみません!
やっぱり、眠いです…!」

ペコペコ謝る華乃子に、琉夏は愛しさが増す。

「わかった。
その代わり、キスして?」

「へ!?」

「ん!」
目を瞑り、自身の口唇を指差す。

早くーと急かされ、華乃子は琉夏の服を掴み背伸びをしてキスをした。

「……/////」
(キャー、恥ずかしいぃー//////)

自分からは、キスしたことのない華乃子。
一人で興奮していた。

「ノコ」

「え?」

「足りないよ?
はい、もう一回!」

そう言われ、もう一度同じようにキスをした。

「まだ!」

「え//////」

「ん!」

そして、もう一回。

「まだまだ!!」

「え…もう…ご勘弁を…」

「ダーメ!はい!ん!」

「……/////」
(うぅ…こうなったら…!!)

今度は、口唇を重ねて少し貪った。

これには、琉夏も少し驚く。
でもすぐに華乃子のキスに応えた。

「ん……ふぁ…」

「……フフ…ノコ、キス上手くなったね…!」

「……/////」

「可愛い…!
じゃあ…次は僕からね!」

「え……も…無理で――――んんっ…!!」

華乃子の頬を包み込み、口唇を重ねた琉夏。
そのまま貪った。


口唇を離すと華乃子は息が上がっていて、トロンとした表情(かお)をしていた。

「可愛い…//////」
(ほんと、エッロい顔…)

「琉夏く…//////」

「ん?なぁに?」

「あの…私…//////」

「ん?」

抱かれたい……!

華乃子の脳裏には、それが浮かんでいた。

もちろん琉夏も“抱きたい”と思っているし、華乃子の思いを察している。

でも華乃子に言わせたい。

なのでわざと、わからないフリをする。

「しゃ、シャワー、浴びよ?」

「え?シャワー?」
(なぜに?
あー、その後に……ってことね!)

「それで…」

「うん」

「その…//////」

「うん」

「……/////」

「ノコ?」

「ちょっと待ってて!!」

顔を真っ赤にしているかと思いきや、突然パタパタとリビングに向かった華乃子。

テーブルに置いていた酒を、ガブ飲みしだした。
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