僕は彼女に絆されている
僕の奥さん
今日は、華乃子の誕生日だ。

琉夏は華乃子にプロポーズをしようとしていた。
役所に行き、婚姻届を取りに向かう。

そして、婚約指輪を取りに行く。
一ヶ月かけて、何度もショップに行って厳選した指輪。


「板鳥様ですね。
ご注文の指輪は、こちらです。
ご確認を……」

「………はい!大丈夫です!」

婚約指輪を大切に鞄にしまい、自宅マンションに帰った。


帰り着くと、華乃子はパーティードレスを着ていた。
琉夏が選び渡したドレスだ。

「わぁ…/////やっぱ、可愛い!」

「……/////
は、恥ずかしいです/////」

「似合ってるよ!」

「ありがとうございます…!」

「行こうか!」
手を差し出すと、華乃子も微笑み握った。

予約していたレストランに向かう。
個室のカップル席に案内された。

「凄いですね…!」
「うん、景色もいいし!」

「ノコ、誕生日おめでとう!!」

「フフ…!ありがとうございます!!」

コース料理に舌鼓をうちながら、景色や話を楽しむ。

デザートが来て、琉夏が華乃子を見据えた。

「ノコ」

「はい!」

「僕の話、聞いてくれる?」

「え?はい」

「…………僕は、ノコに叱られたあの時から、ずっとノコのことが好きで、好きで、大好きだよ。
素朴だけど、ピュアで優しくて、穏やかで…
ノコといると、僕が僕らしくいられて安心するんだ…!
……………だから…ね…?」

「はい」

琉夏が、婚姻届と婚約指輪をテーブルに置いた。

華乃子の目が見開かれ、みるみる目に涙が溜まっていく。



「新川 華乃子さん。
僕と結婚してください…!
これからもずっと僕の傍で、笑っててほしい。
僕に、ノコを支えさせてほしい。
僕の奥さんになって……?」

「………っ…//////」

もう既に、華乃子の顔は溢れる涙で濡れていた。

すぐにでも“よろしくお願いします”と返事したいのに、喉が詰まって声が出ない。

「ノコ?」

琉夏が華乃子の目や頬の涙を拭う。

「うぅ……っひ…っく…」

「ノコ。
返事は、頷くか首を横に振るかして?」

華乃子は、何度も頷く。

「フフ…!ありがとう!」

「ノコ、指輪はめてい?」

再度、何度も頷いた。

華乃子の左手を薬指にはめ、その指にキスを落とした琉夏。


「ノコ、幸せになろうね…!」

琉夏がそう言って、二人はキスを交わした。
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