僕は彼女に絆されている
「そうですよね!
つけます!」

そう言って、棚の引き出しから指輪ケースを取り出し指輪を出した。

「あ!ノコ!
僕がつけてあげたい!」

「はい…//////」

まるで……結婚の誓いのように、琉夏が華乃子の左手の薬指に指輪をはめた。


それから――――華乃子は夕食を作り、琉夏は洗濯物を取り込み畳んだり、風呂の掃除をしたりして手分けして家事を行う。

「――――いただきます!」
「どうぞ/////」

「んー!旨いっ!」
満面の笑みの琉夏。

華乃子も微笑む。

“新川さんがどんな容姿をしてても、彼は“ここにいる新川さんが”好きなんだよ?
それって、彼の好きな人をけなしてるのと同じだと思わない?
新川さんは、大好きな彼の好きな人をけなしたいの?”

ホリベの言葉が、頭の中に蘇る。

「あ、あの!」

「ん?なぁに?」

「あとで、一緒に写真撮りませんか?/////」

「フフ…もちろん!
ツーショットなら、いくらでも撮りたい!」

食事が済んで一緒に片付け、コーヒーを淹れた華乃子。
リクライニング式のローソファに座り、スマホを持った琉夏が手招きしてくる。

「ノコ、ここ来て?」
自身の足の間を指差す、琉夏。
華乃子は頷き座ると、後ろから包み込んだ。
そして、片手でスマホを構える。

「ノコ、レンズ見て?」

「は、はい…//////」
しかし、緊張で固まってしまう。

表情(かお)、強張ってる(笑)」

「き、緊張…しちゃって……」

「うーん…
あ!とりあえずノコ、レンズ見てて?」

「はい…//////」

琉夏が包み込んでいる方の手で、華乃子の腹辺りをくすぐった。

「ひゃっ!?
ひゃははは…」
くすぐったくて、笑い出す華乃子。

すると、カシャッと写真が撮られた。

「フフ…!見て!」

「あ…」
(なんか、楽しそう…!)

「こうゆう写真も良いでしょ?」

「フフ…はい!」

それからは――――少し気持ちが落ち着き、ツーショットを数枚撮ることが出来た。

琉夏から撮った写真が送られる。

「ノコ、どれかお揃いでホーム画面にしようよ?
ノコが選んで?」

「じゃあ…最初の……」
最初の、くすぐられた写真を出す。

「イイね〜
じゃあ…それを設定しよう!」

その設定した写真を、華乃子は幸せそうに見ていた。
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