恋愛対象外に絆される日
帰り道、綺麗な満月が夜空にぽっかり浮かんでいた。とても澄んだ空で、夜なのに明るい。
「なんだか夢を見ているみたい」
「うん、俺も。まさか、だった」
「でも素敵よね。記憶がなくなっても水瀬さんと結婚まで辿り着くんだもの。まるでドラマみたいじゃない?」
「まあ、あの二人お似合いだし」
「そうよね」
ふいに右手が握られる。そのままくっと引き寄せられ、遥人との距離がぐっと近づいた。
「俺たちも、お似合いだと思いません?」
月夜に照らされた遥人は優しい笑みを浮かべる。スーツを着ているからかいつもよりも大人っぽく、凛々しく見えた。そんな隣に立てるのが誇らしい。
「うん、お似合いだと思う」
そのまま腕に絡みついた。
なんだか今日はくっついていたい気分。
遥人の体温を感じて安心する。
「結子さん」
「なあに?」
「結婚しませんか?」
バッと顔を上げた。
優しい表情の遥人に見つめられてトクトクと鼓動が速くなる。言われたことの意味をじわじわと実感して胸が熱くなった。
遥人は私よりも年下だから、まだ結婚なんて考えてないと思ってた。それに付き合って数ヶ月しか経ってないし、まさかそんな話が出るなんて思いも寄らない。逆に言えば、遥人はちゃんと考えてくれてたのに私の方が考えが浅かったのよね。心のどこかでいつまでも遥人を年下に見ていたわけだ。
「私の目を見てもう一回言って」
視線が絡まる。
逸らせないほどに強い瞳で見つめられる。
まわりの音が聞こえなくなった。
もう遥人しか見えない。
「結子、結婚しよう」
「はい、お願いします」
満面の笑みで答えたらぎゅうっと抱きしめられた。
大切に思ってくれてることが嬉しい。
好きな人に触れられることが嬉しい。
とてもとても幸せだ。
ヒールの音がコツコツと夜道に響く。
遥人と手を繋いで、今日はどっちの家に行く? なんてそんな会話をしながら。
こんな毎日がとても尊く大切で。
幸せな未来に胸を躍らせた。
「なんだか夢を見ているみたい」
「うん、俺も。まさか、だった」
「でも素敵よね。記憶がなくなっても水瀬さんと結婚まで辿り着くんだもの。まるでドラマみたいじゃない?」
「まあ、あの二人お似合いだし」
「そうよね」
ふいに右手が握られる。そのままくっと引き寄せられ、遥人との距離がぐっと近づいた。
「俺たちも、お似合いだと思いません?」
月夜に照らされた遥人は優しい笑みを浮かべる。スーツを着ているからかいつもよりも大人っぽく、凛々しく見えた。そんな隣に立てるのが誇らしい。
「うん、お似合いだと思う」
そのまま腕に絡みついた。
なんだか今日はくっついていたい気分。
遥人の体温を感じて安心する。
「結子さん」
「なあに?」
「結婚しませんか?」
バッと顔を上げた。
優しい表情の遥人に見つめられてトクトクと鼓動が速くなる。言われたことの意味をじわじわと実感して胸が熱くなった。
遥人は私よりも年下だから、まだ結婚なんて考えてないと思ってた。それに付き合って数ヶ月しか経ってないし、まさかそんな話が出るなんて思いも寄らない。逆に言えば、遥人はちゃんと考えてくれてたのに私の方が考えが浅かったのよね。心のどこかでいつまでも遥人を年下に見ていたわけだ。
「私の目を見てもう一回言って」
視線が絡まる。
逸らせないほどに強い瞳で見つめられる。
まわりの音が聞こえなくなった。
もう遥人しか見えない。
「結子、結婚しよう」
「はい、お願いします」
満面の笑みで答えたらぎゅうっと抱きしめられた。
大切に思ってくれてることが嬉しい。
好きな人に触れられることが嬉しい。
とてもとても幸せだ。
ヒールの音がコツコツと夜道に響く。
遥人と手を繋いで、今日はどっちの家に行く? なんてそんな会話をしながら。
こんな毎日がとても尊く大切で。
幸せな未来に胸を躍らせた。