恋愛対象外に絆される日
師走で年末で街行く人がみんな慌ただしく見える。
仕事納めなんてあってないようなものだけど、ひとまず年内の勤務は終了。その足でファミレスへ。

「結子〜! こっちこっち!」

呼ばれて、案内係の店員にペコッとお辞儀をしてからそちらへ。同級生の麻耶と綾音がにこやかに手を振っている。

「ごめん、遅れて」

「いいって。仕事だったんでしょ」

「こんな年末までお疲れ様だねー」

女子三人組の忘年会inファミレス。
麻耶が子持ちということもあり、少し早い時間から集まった。ファミレスなのは安くて長居できるから。それに私たちは飲むよりしゃべりたい派。

「じゃあさっそく今年も近況を聞かせてもらおうか」

ニヤリと麻耶が笑う。

「乾杯しようよ、乾杯」

「私と綾音はもう乾杯したもん」

「おい、私、いま来たんですけど!」

「冗談、冗談。じゃあ何飲む?」

見れば、麻耶も綾音もドリンクバーのソフトドリンク。それなら私もそれに合わせようとドリンクバーを注文した。寒かったからひとまずコーヒーを入れてくる。

「んじゃ、今年もお疲れ様」

「「「かんぱーい」」」

ガチャンと鈍い音で乾杯。ファミレスのドリンクバーのカップなんてこんなものよねと思いながらコーヒーを口に含む。思ったより苦い。砂糖持ってきたほうがよかったかな。


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