妖怪ホテルと加齢臭(改訂版)久遠と天音
「売却金額については、彼女の希望どおりにしてやってくれ。
契約が成立したら、家屋調査をすぐして欲しい。
土台とか、耐震についてはガタガタだろうから・・・
いつ崩れても、おかしくないだろう。
それと、この件は本部には上げないから。」

「え・・なぜですか?」
近藤が意外そうに疑問を口にした。
久遠はお茶を一口飲んで、ニヤリと笑った。

「あの場所は、俺の隠れ家にするんだ。プライベートのね」
それから、ワクワクしている子どものように

「ヨーカイもいるし、森の精霊もいる・・・
人が入り込めない、美しくてクールな場所だろ?
だから、秘密にしておきたいんだ」

近藤は少し笑って、うなずいた。
「わかりました。できるだけ早く対応をします」
「頼む」

久遠は、2個めのおにぎりを食べ始めた。
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