朱の悪魔×お嬢様
-第2章-
†立ち向かえ
“あの日”からもう何日経ったのか分からない。
正直言うと、何をしていたのかもはっきり覚えていなかった。思い出せなかった。
最初に気がついたのは、数日後の病院のベッドの中。
気絶した後そのまま目を覚まさず、“あの日”から数日が過ぎてしまっていたのだ。
体には特に異常が無かった為すぐに退院できたが、待っていたのはマスコミの嵐。
こんな“生きた屍”のような凜の状態にも関わらず、無遠慮に、絶え間なく、マスコミは押しかけた。
【紅い悪魔のターゲットから初めての生存者】とか【羽須美財閥、唯一の生き残り】とか…ほっといてよ。
広い屋敷の中にいるのは私だけ。生きているのは、生き残ったのは、私だけ。一人ぼっち。初めての孤独。虚無感。
突然失った、家族、環境、人々。大切な人は―――もう、いない。誰も。
私を助けてくれる人は、いない。いないという、現実。
―――甘えるな。
悲劇のヒロイン気取りか?周りに甘えるな。同情に甘えるな。人を頼るな。自分の足で立て。自分でなんとかしろ。自立しろ。自分で―――どうすればいいの?
そして気付けば、今日は葬式の日だった。
葬式は淡々と進んでいった。
葬式、火葬、納骨。
時間はあっという間に過ぎていった。
一人、凜が時の流れに取り残されたまま。
正直言うと、何をしていたのかもはっきり覚えていなかった。思い出せなかった。
最初に気がついたのは、数日後の病院のベッドの中。
気絶した後そのまま目を覚まさず、“あの日”から数日が過ぎてしまっていたのだ。
体には特に異常が無かった為すぐに退院できたが、待っていたのはマスコミの嵐。
こんな“生きた屍”のような凜の状態にも関わらず、無遠慮に、絶え間なく、マスコミは押しかけた。
【紅い悪魔のターゲットから初めての生存者】とか【羽須美財閥、唯一の生き残り】とか…ほっといてよ。
広い屋敷の中にいるのは私だけ。生きているのは、生き残ったのは、私だけ。一人ぼっち。初めての孤独。虚無感。
突然失った、家族、環境、人々。大切な人は―――もう、いない。誰も。
私を助けてくれる人は、いない。いないという、現実。
―――甘えるな。
悲劇のヒロイン気取りか?周りに甘えるな。同情に甘えるな。人を頼るな。自分の足で立て。自分でなんとかしろ。自立しろ。自分で―――どうすればいいの?
そして気付けば、今日は葬式の日だった。
葬式は淡々と進んでいった。
葬式、火葬、納骨。
時間はあっという間に過ぎていった。
一人、凜が時の流れに取り残されたまま。