朱の悪魔×お嬢様
「ありがとうございます…」
凜が遠慮がちに座布団に座るのを見、そして凜の顔を改めて見つめた。
「本当に…茉莉亜さんにそっくりね…」
「え?」
しみじみと呟いた凌のセリフにハッと凛が顔を上げる。
その反応を見て、逆に凌も少し驚いたように口元に手をあてた。
「あら、美玖から聞いていないの?…本当に何も話さなかったのね」
「茉莉亜…さん、とは?」
「茉莉亜さんは“前の主”です」
「前の主…?」
怪訝そうに眉をひそめた凛に凌は柔らかく微笑む。
「まず、この家のことから先に話しますね。茉莉亜さんの事はその後で」
「…お願いします」
軽く頭を下げた凛に、凌は柔らかく微笑んだ。
「では突然ですが、この家は代々忍者の家系なんですよ」
突拍子もない凌の、本当に突然なセリフに凛はきょとんと目を丸くした。
「忍者、ですか…?」
「えぇ。あ、もちろん昔の話ですけどね」
凌は口元を手で隠しながら楽しそうに笑う。が、すぐにその笑みを消した。
「でも、家訓は未だ続いていますが…」
凌は言うと、すっと一枚の古い和紙を凛に差し出す。
和紙には大きく赤で複雑な紋様が描かれていた。
「これは…?」
「この家に代々伝わる、契約の紋様です。…美玖の背中にもこれと同じ刺青があります」
「契約?刺青?」
全く予想していなかった話の展開に凛はうまくついていけず、混乱しはじめる。
「…この家は代々忍者の家系にあった、と言いましたよね?先祖は主を守る為、より強い力を欲しました。そして…あろうことか、悪魔と契約を交わしてしまった」
凌は静かな口調で淡々と語りだした。
「悪魔と契約を交わした先祖は背にこの紋様を刻み、その身に悪魔の力を宿しました」
凜が遠慮がちに座布団に座るのを見、そして凜の顔を改めて見つめた。
「本当に…茉莉亜さんにそっくりね…」
「え?」
しみじみと呟いた凌のセリフにハッと凛が顔を上げる。
その反応を見て、逆に凌も少し驚いたように口元に手をあてた。
「あら、美玖から聞いていないの?…本当に何も話さなかったのね」
「茉莉亜…さん、とは?」
「茉莉亜さんは“前の主”です」
「前の主…?」
怪訝そうに眉をひそめた凛に凌は柔らかく微笑む。
「まず、この家のことから先に話しますね。茉莉亜さんの事はその後で」
「…お願いします」
軽く頭を下げた凛に、凌は柔らかく微笑んだ。
「では突然ですが、この家は代々忍者の家系なんですよ」
突拍子もない凌の、本当に突然なセリフに凛はきょとんと目を丸くした。
「忍者、ですか…?」
「えぇ。あ、もちろん昔の話ですけどね」
凌は口元を手で隠しながら楽しそうに笑う。が、すぐにその笑みを消した。
「でも、家訓は未だ続いていますが…」
凌は言うと、すっと一枚の古い和紙を凛に差し出す。
和紙には大きく赤で複雑な紋様が描かれていた。
「これは…?」
「この家に代々伝わる、契約の紋様です。…美玖の背中にもこれと同じ刺青があります」
「契約?刺青?」
全く予想していなかった話の展開に凛はうまくついていけず、混乱しはじめる。
「…この家は代々忍者の家系にあった、と言いましたよね?先祖は主を守る為、より強い力を欲しました。そして…あろうことか、悪魔と契約を交わしてしまった」
凌は静かな口調で淡々と語りだした。
「悪魔と契約を交わした先祖は背にこの紋様を刻み、その身に悪魔の力を宿しました」