猫の初恋
花音ちゃんは佐伯さんたちのグループに入っていたはず。

「え、いいの?」

「うん大歓迎だよ、すずちゃんはいろんな学校にいたことがあるし視野が広いと思うんだよね。私たち地図を読むのが苦手だし迷っちゃいそうだから。お願い協力して」

花音ちゃんはほんとに優しい。私がボッチだからお情けで誘ってくれてるってわけじゃなくて必要なんだよって理由まで添えてくれて。

「あ、でも……」

すでにそこは6人グループだったので、とても私の入り込む余地なんてないだろうしそれに第一。

「ちょっと花音、勝手にほかの人を誘わないでよね」

「まどか、いいでしょ、あと1人くらい」

「でももう、6人いるんだしさー」

佐伯さんはニヤッと不敵な笑みを浮かべる。

「それに好きな人同士っていう条件に当てはまらないんですけどー、ね、みんな」

佐伯さんから同意を求められた同じグループの子たちは気まずそうに目線を逸らせる。

先日、一条くんと一緒に帰って以来、佐伯さんの私へのあたりがますます強くなってきてたんだ。
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