猫の初恋
彼のことをチラチラ横目で見ながら、挨拶するでも話しかけるでもなく胸をおさえていた。
静まれ、私の心臓……。
「ほら、すずちゃん一条くんにおはようって挨拶したら?」
「ううん、無理。どうしてだかわかんないけど、一条くんの顔を見るだけで胸の奥がギュッてなっちゃうの」
「ふうん、そうなんだ。すずちゃんも一条くんかー。まあ、みんな一回は恋しちゃうんだよね彼に」
花音ちゃんは訳知り顔でうんうんと頷く。
「違うったら、そういうんじゃないの」
「ほんとかなー、すずちゃん、顔が赤いし」
花音ちゃんは口元をにまにましながら私をからかう。
「もうっ、そうじゃないの」
必死で否定していたらふと横から視線を感じた。
ひょっとしてって思いながら、顔を向けるとこっちを見ている一条くんの視線とぶつかったから慌てて逸らした。
わっ、どうして一条くんが私のことを見てるんだろう。
もしかして、顔に何かついているんだろうか、それとも頭に猫の耳が飛び出てるとか?
あわてて顔と頭に手をやって確認してみたけど特に異常はない。
静まれ、私の心臓……。
「ほら、すずちゃん一条くんにおはようって挨拶したら?」
「ううん、無理。どうしてだかわかんないけど、一条くんの顔を見るだけで胸の奥がギュッてなっちゃうの」
「ふうん、そうなんだ。すずちゃんも一条くんかー。まあ、みんな一回は恋しちゃうんだよね彼に」
花音ちゃんは訳知り顔でうんうんと頷く。
「違うったら、そういうんじゃないの」
「ほんとかなー、すずちゃん、顔が赤いし」
花音ちゃんは口元をにまにましながら私をからかう。
「もうっ、そうじゃないの」
必死で否定していたらふと横から視線を感じた。
ひょっとしてって思いながら、顔を向けるとこっちを見ている一条くんの視線とぶつかったから慌てて逸らした。
わっ、どうして一条くんが私のことを見てるんだろう。
もしかして、顔に何かついているんだろうか、それとも頭に猫の耳が飛び出てるとか?
あわてて顔と頭に手をやって確認してみたけど特に異常はない。